伊勢神宮 日別朝夕大御饌祭で想う

前回の遷宮システムの感動、に続き二つ目
それは、「日別朝夕大御饌祭」ひごとあさゆうおおみけさい

2014-01-01 09.22.58

「日別朝夕大御饌祭」

正式な詳細は神宮HPこちらから

1300年もの間繰り返されている遷宮と同じように、外宮のみにある御饌殿(みけでん)で毎日変わることなく繰り返されているお祭りです。わかりやすく言うと、毎日、神様に朝ご飯と夕ご飯をお届けする行事。簡単そうに思えますが1300年毎日って凄いことだと思うんです!外宮の神様は、豊受の大御神(食べ物をつかさどる神様)。天照大御神をはじめ、豊受大御神、各相殿神(あいどののかみ)、各別宮の神々に大御饌(おおみけ)をたてまつるそうです。

お米や御塩など全て神様に捧げる為だけに作られているものを使っています。よく、TV等で陛下が田植えをする様子が流れたり、収穫の様子が流れたりしているのは、この神様に捧げるお米を作っている所なのです。

 

何がすごいのか

は決まった井戸から毎日汲み上げ、その汲み上げの際にも井戸の水に顔などが映りこんでは失礼にあたるので、長い柄杓ですくいあげるという、徹底ぶり。食事の準備に欠かせない「」、この火は忌火(いみび)と呼ばれ、神聖で清浄な火を使います。おこすのも人の手で木と木をこすり合わせる原始的な方法(火鑽(ひき)り)で行われています。
「忌(いみ)」ときくとなんだか、不吉な方を思い浮かべてしまうのですが、この言葉には「清浄な忌」「穢れた忌」の両極端な二つの意味があるようです。己の心と書くこの漢字からしても、両極な意味とはなんだか深いですね。

は全て土で作った素焼きのもので、これもまた神宮で作られていて、一度使用したものは割って土へ返し、又その土を使って・・と循環しているそうです。素晴らしいリサイクル!

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は海の水を天日で乾かす昔ながらの製法で、御塩殿神社(みしおどのじんじゃ)で作られます。お神宮神田で毎年6種以上の品種のお米が育てられます、これは病気や天気でお米が不作になり不足してしまわないよう、早く収穫できるものから遅いもので時期をずらし、強いもの、たくさん採れるもの、普通のお米にもち米、と育てるそうです。
※2014年に収穫に参加させていただきましたが、鎌を使って一つ一つ手作業で行い、とても神聖な気持ちになりました。大変な作業だと思います。

毎日変わらない時間に、変わらず繰り返されるお祭り、その為に毎年変わらずに行われる「田植え」「堅塩作り」その日その日が、数年数十年、そして数千年と続くために繰り返され、守られている

私には、オーラも見えないし特殊な能力はありません。神様がどこから来て、いつ頃からいらっしゃって・・・神話しか知りません。事実なのかは、わかりません。見ることも感じることもできません。
まんがで読む 古事記 (学研まんが日本の古典)

 

けれど、
1300年もの間、他人の手で毎日毎日、朝食、夕食が捧げられ、毎年毎年、その為のお米が作られ、どれほどの人が関わり、続けられてきたものなのか・・・想像するだけで痺れます。

もしそこに、何もなかったとしても
1300年もの間、人がその手で何かを大切に守り続けてきたなら、そこには何か生まれるのではないか。

神宮には何かがある、という人も多くいます。感じる方も多くいます。(残念ながら私には言葉にできるほどの何かを見ることはできません)ただ言えるのは、大切なものがそこにあるという「気」があると思います。

神様の存在も素敵ですが
わたしは、それよりも

一つの事を1300年もの間続け、受け継ぐことのできる「人間」の尊さ

私たち日本人はとても美しく、尊い。

 

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