格安婚の安さの裏にあるものとは

代表的な企業では、スマ婚などが上げられ、「16.8万円で叶う結婚式」と銘打っているここ数年台頭してきた格安婚業界の筆頭です。ベッキーのCMでもおなじみ。この他にも鈴木奈々がCMする「楽婚」や斎藤工のCM「すぐ婚」なども同じカテゴリーに属しています。

同じ格安婚でも三社三様

一例でいうと、スマ婚は会場を持たず、提携ホテルや会場を使用。プランナーとの打ち合わせや当日のサービスと料理以外のスタッフはスマ婚のスタッフで行うプロデュース型。料理と会場、挙式場所だけをホテルや会場側から借りている状況=会場側からすると、ほぼ持ち込みの案件という状態で行われます。楽婚についても同じくプロデュース型ですが母体がベストブライダルグループなので、自社運営の会場を多く使えるという部分が大きく違いますね

すぐ婚は、WEBサイト上に提携店に直近で格安プランにしたものを掲載してもらい、集客し、ホテルや会場にお客様を斡旋し紹介料という形でマージンを発生させています。基本的にホテルや会場側が打ち合わせから当日までを担当するスタイルですので、広告サイトの一つと言えます。

今回はスマ婚についての色々をお話ししたいと思います

「格安婚」が登場したことによって

格安婚系の会社が登場したことにより、価格が不透明と言われてきた結婚式業界も少し変わってきました。本人たちは不透明だと思っているわけでも、そんなつもりもなかったわけですが、説明不足だったり、パッケージという名のもとに安くしたつもりが、単価のわかりにくい状況になっていた側面を透明化する会場も増えてきたのも事実です。ある意味で業界への貢献度は大きいと思います。

CMでも結婚式にまつわる映像を多く見かけることとなって、潜在顧客の拡大にも大きく影響を及ぼしているとも言えます
がしかし、安いという事にだけ目をとられて失敗しないために、きちんと覚えておいてほしいことがあります。

スマ婚とホテル等の会場との関係

スマ婚の場合、会場を持っていないためホテル等を提携して会場を使用しています。その際、ホテルとスマ婚の間で価格のすり合わせが必要になります。当然ながらスマ婚はご祝儀の範囲内での挙式代金でプラン化する事が基本なので、ホテルの通常の価格よりも低価格設定を求められます。ホテル側は契約を結ぶ以上、それに対応を検討しなくてはなりません。お客様を連れ来てくれる存在=スマ婚ではあるものの、一般のお客様と同じサービスで価格だけを特別に下げるようなことはできないため非常に悩ましいのがこの部分になってきます。

例えば料理なんかは、通常利用しているお客様より価格を下げるという事はできないので、内容の質を下げる形になることが多いです。1万5千円の料理を1万円で提供するわけにはいきません、特別に1万円のコースを作ることになります。もちろん内容を低下させます。ホテルのレベルに合わないなぁと思っても。

挙式の代金を安くするためには、演奏者を減らしたり、装飾をなくすこともあります。
利益の低いスマ婚に提供できる会場はもちろん人気のシーズンはありませんし、通常では売れない会場やレストランの一部を使用することで安く提供することにしたりします。ヘアメイクなども持ち込みになるので、基本的には美容室は使用できず、控室や客室で実施されることが多いですね。

一流ホテルのクオリティーをそのまま安く利用できると思ったら大間違いという事です。

更なるカラクリ

1万円の料理がそのままお客様に提供されているかというと、そこにはスマ婚のマージンがのせられるので、売値は1万2千円程度になっています。お客様にしてみれば1万2千円の料理が会場側は1万円と思って提供しているわけですから、その温度差には悲しくなります。
とはいえ、仲介の代理店が入るという事はそういう事だと思うんですね。それがビジネスだし、悪い事だとは思いません、ただ、お客様もきちんとそう思っているのか、満足していただいているのか、という事だとおも想うのです。一流のクオリティーを安く手に入れてると思い込まされているお客様が多いと感じます。

数回ほどスマ婚で実施されたおふたりの見積もりを拝見しましたが、一概には言えませんが、単価が上がらないわけではなく、こだわりが多ければそれなりに単価が上がってしまうようで、実質、ホテルで直接やっても同じくらい?という価格だったのを覚えています。

スケールメリットによってドレスや小物が安くなっているのは事実かもしれません、が、ドレスやペーパーアイテムを安く買いたいだけならネットでいくらでも安く手に入る時代です。

ちなみに、ホテルでのウエディングを安く叶えたいのであれば、時期にこだわらす、直近でも結婚式ができる環境なのであれば、ホテルへ直接申込みされて交渉された方が、クオリティーも内容もそして価格も思った以上のものが手に入ることでしょう。代理店という存在のスマ婚が入る分、高くなるのではなくサービス内容の品質が落ちるという事だと思った方が無難です。

もちろんホテル側も、利用してくれるお客様に「こんなもの?」と感じさせてはいけないと、最大限のサービスはしますし、ホテルの玄関スタッフがスマ婚だからと区別することももちろんないので、そういう面では一流ホテルを格安で使えるメリットは大きいかもしれませんね。

格安婚の使い勝手

格安婚が一概に悪いわけではないと思っています。
自分で料金交渉するのが苦手だったり、沢山見に行くのが面倒だったり、こだわりもない方には便利で安く済むのでぴったりかも知れません。
ただ、こだわりが強かったり、おもてなしを重要視していたり、一流ホテルで安くできると思っていたりするのであれば、それは今一度考え、直接ホテルや会場に相談に行ってみるのもいいのでは?と思うのです。そして、本当に安く上げたいのであれば、そういう格安会場があるのも事実ですので、よく探してみることです、スマ婚は代理店のようなもの、中間マージンを抜かなければ商売になりません、であれば、直接購入できる会場に直接交渉してみる方が安く上がることもあると思いますよ。

最後にあくまでも個人的な意見です。そうじゃない!という事もあるかもしれませんが、そういう事もあるという一側面だと思って読んでいただければと思います。

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