ゼクシィの広告費を考える

本記事は2014年に書いたものを2015年に加筆したものです。
この記事は、古い情報も含まれる為、2016年に新記事を書いて2022年に加筆してみましたので。合わせてこちらを読んでいただけましたら幸いです。 >>>ブライダル広告・集客を考える

「ゼクシィの広告費」高くて悩まされる

業界に長いので、価格は把握していますが敢えて公表されているデータをベースとして添付。

参考サイト:http://magazine-ad.com/information/a0004.html
(こちらの価格は、正価なので実際はもう少し安いと思っていいです)

出稿ページ数は会社(多数会場を保有する企業を会社として表記)によって、会場(一つの建物、1名称を表現)によって異なりますし、純粋にペーパーの出稿広告費だけでなくネットでの出稿、“ゼクシィなび”と呼ばれるエージェント業務での紹介仲介料(料飲の10%程度)が発生するため、多い会場では年間2億~5億の広告費がかかっていますし、少ない会場でも2~3千万はかけているイメージですね
一組当たりに換算すると、10~50万程度の広告費がかかっているんではないでしょうか

では、ゼクシィがなくなったら結婚式費用は安くなるのか?

インターネットで探せるし、別に情報誌がなくてもいいのではないかと考えるのは素直に間違ってないと思います。多分、10年後には今の形で存在しているのかは微妙だとも思います。が、しかし、この紙媒体不況の中でも、現在それなりに人の手に渡り、結婚式を探す女子達のバイブルであることは間違いなく、比較するすべとして有効な手段になっている、そして何より集客手段として他を引き離し独走第一番であることは事実なのでその功績は認めざるを得ません。

そして、ゼクシィがなくなっても結婚式費用は安くなったとは感じないでしょう

何故なら、それに代わる広告手段を考えなくてはならないし、そこへの費用をかけなくてはならない、例えその額が半分になったとしても、一組に対する効果は5~10万程度の減額になり、300万~400万かかる結婚式費用全体からいえば「安くなった」と感じられるほどの減額にはつながらないと思われます
そして、結果ゼクシィに代わる広告媒体が登場するだけだとも言えます

それでも、広告価格競争が起こり、安くなった方がいいのではないか。
それも一理ありますが、ゼクシィがなくなったら・・・結婚式市場はさらに衰退する!これは、間違いのない事実だと考えます

ゼクシィが無くなっても、お客様を集客するすべはあるので、各社努力をすればその点だけでいえば問題ないでしょう。知名度によって集客が難しい会場が出たり、新しい広告手段が登場するだけです。

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ゼクシィが無くなれば結婚式市場が衰退するのか?

これは、リクルートという会社が大きな広告収入を集める一方で、マーケティングを行い問題解決に取り組んでいるという事に他ならないと思います

ブライダル業界は基本的に小さい会社の集合体です。
ここ十数年程度で台頭している、全国的にゲストハウスを運営する企業が出てきて言いますが大企業というには及ばず、しかもそういった企業は数社にとどまります。大きなホテルがあるじゃないかと思いがちですが、ホテルも基本中小企業が多く、更にその中でのブライダル事業は小さな部門の一つでしかないのが実態です

この、業界内の各社が小さい事が、最大の問題になってくるのです
各社がマーケティングに掛けられるパワーが小さく、情報共有も少ない現状で、リクルートが多くのユーザーからの意見や若者の動向をリサーチしています。そしてそれを、多くの企業に共有することにより、いつの時代のターゲットの層も自分たちに合った会場を探しやすくなり、ある程度どこへ行っても心配なく結婚式ができる現状になっているのです

いやいや・・、それほど現代にマッチしてないよ?と考える方もいるでしょうが、これでも十分功績はあるのです。
結婚式とは一生に一度のものであり、世代によって理想は違えど、その理想がどこから来るのか?など誰にもわからないのです。生まれて初めての事柄に、最初から理想ややりたいことを掲げられる人などそう多くはないのですから。だからこそ、指し示す何か、傾向を分析することは重要になります。
ただ、各企業が個々にそれをするには、各社が小さく、それほどそこへ重点を置けないのが現状であり、もしリクルートがそれを行わなければこの先10数年、何も変わらない結婚式を提案し続ける会場が沢山出てくることでしょう。情報が共有されない、比較されない、わからないというのは怖いものです

楽しくない、自分たちのやりたかった形ではない結婚式が実施され続ければ、きっと結婚式をする人もどんどんいなくなってしまいます。そうやって、結婚式をする人たちが減っていったのも事実なのですから。
一方で、リクルートが推奨するものだけを追いかけていくような、ある意味洗脳され続ける形は理想とは言えません。マーケテイングされたもの、提案された方向性をきちんと自分たちの目の前のお客様と比較し、検討すること、自分たちの目の前にマーケットがあることを忘れずにいることは大切なことです

インターネットがあるし、海外からの情報もあるし、おふたりはいくらでも比較できるよ?
と、そうもいかないのが結婚式。なんといっても、一生に一度という事が大きい!比較の仕方がわからない、そして「親」等の古い考え方も影響する、単純にネットで調べて他の人の結婚式を見比べればわかるといいものでもない、基礎知識が乏しい段階で新郎新婦さんたちは探さなくてはいけないのですから。昨今ではプランナーさんを先に探して、やりたい結婚式を任せるスタイルも出てきていますが、それも全てではない。やはり今の段階では、ゼクシィの貢献度は大きい。

もう一つ、現在の大きな課題、結婚式の未来を考えることができる組織が必要なのです
結婚式実施率の低下を食い止め、素晴らしさを伝えていくパワーがあり、自社の利益だけでなく業界の未来を考えられなくてはなりません

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業界内部だけで構成された組織では、各社の出資のパワーバランスや規模、ブランド、地域性などが影響し、統一を図ることはかなり厳しいでしょう
業界全体が「みんな結婚式っていいよ!」「もっと結婚式しよう!」と思っていても、そういったCMでも流そうという統一は生まれませんし、無理ですね
リクルートはゼクシィを通して各社から膨大な広告費を集めているわけですから、その中で結婚式を普及するという役割にも、もっと力を注ぐべきだとも思います。業界が衰退すれば、ゼクシィ自体も困るわけですからそこはもちろん考えているのですがまだまだ、できることや取り組むべきことはあると思います

まとめると、ゼクシィが無くなると困るであろう
・マーケティングと情報共有
・新しい情報の提供と提案
・結婚式の訴求と結婚式離れの阻止

に対して、解決策が生まれれば、ゼクシィが無くなって広告費が下がって、お客様に反映されるような日がやってくるかもしれません。今のところ、そんなことを考えるより、更なる高みをリクルートに目指していただき、もっともっと結婚式の素晴らしさを若者に訴求してもらいたいと思います

そしてより、ユーザーの求める結婚式をマーケティングし、企業へ提案し続けることがユーザーにとっても、より素晴らしい結婚式の実現につながる理想だと思うのです

結婚式をする人が増えれば、会場あたりの実施数が増えれば、ゼクシィの広告費が無くなるよりもより、お客様の価格低下へ大きく反映できますからね

まぁ、業界ではいろいろ言う人も多くて、私なりに考え思うところをまとめてみただけのことです。
時間がたてば考え方も変わるかもしれませんけど(笑)

本記事は2014年に書いたものを2015年に加筆したものです。
この記事は、古い情報も含まれる為、2016年に新記事を書いて2022年に加筆してみましたので。合わせてこちらを読んでいただけましたら幸いです。 >>>ブライダル広告・集客を考える

続編>ゼクシィってなんで競合が出てこないの?

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